はじめに
決算がほぼほぼ確定して、まず確認するのは「利益」だと思います。
赤字、黒字で一喜一憂して、これからの計画を考える材料のベースになるのですが、ここで考えるべきことは「どこに重点を置くべきか」を考えていかないといけません。
今回は利益について考えていきたいと思います。
利益には「本当の赤字」と「見せかけの赤字」がある。
赤字には2つのパターンがあります。
①利益赤字で、資金収支は赤字。
これは完全にアウトな状態です、すぐどうにかしないといけません。
②利益赤字で、資金収支は黒字です。
これは資金が十分回っている状況になっている可能性が高いです。
要は、損益計算の赤字と資金繰りの赤字は違うということです。
自分自身がスポンサーになろう
まず間違っていただきたくないのは、「違法なやり方ではない」ということと「銀行のコミュニケーションが十分である」ということです。
それでは、見ていきましょう。
赤字にするというということは「経費を作る」ということですが、同時に「お金が出て行っていしまいます」
これは現金が外部に流れている状態です。
これでは意味がありません。
ですので、現金の支払いを外部ではなく内部(社長)にすることです。
具体的には、役員報酬、賃借料(社宅)などで経費にするがお金は社長でプールするしておきます。
例えば、
売上10,000円 経費5,000円 利益 5,000円の会社があるとします。
これを役員報酬4,000円、賃借料2,000円にすると赤字1,000円になりますが、お金は社長に回ります。ので個人で預金プールできます。
プールしたお金を、会社に貸すことで「社長が銀行になり、利息をもらう」ことができます。
これが中小零細企業の特権と言えるでしょう。
赤字決算だと銀行がいい顔しない
さきほど、わざと赤字にするとしましたが、あくまで税金対策です。
私がいつも皆さんにお伝えしていることで「世の中バランスでできている。片方で得しても、片方で損します」という言葉があります。
100%お得なことは絶対にないということです。
この場合、「利益を赤字にする=税金は払わなくていい=融資が受けにくい」ということです。
ここで大事なものは「わざと赤字にしている」と伝えないといけません。
ココがコミュニケーションです。
担当者によってはいかなる理由でも赤字は貸さないという、安全パイをとる人もいます。
それならそれで、黒字にする必要あります。
そのためには、まず「個人でお金は持っている」ことをアピールすることです。
その時の金融機関の考えで違ってきますが、「個人で現金がこれだけある」を証明すれば、これを定期預金(担保)にしてお金を借りる方法ができます。
詳しくは、別の回で詳しくお伝えします。
おわりに
見せかけの赤字とは、合法な節税ですが、社保や個人の税金が上がります。
税率がどっちが安いか?など考えないといけません。
生活費など様々な条件を組み合わせて総合的に考えましょう。