はじめに

いざ決算になったときに、売掛、買掛、未払を忘れずに計上して・・・・
とここまでは皆さん計上はされていると思いますが、意外と忘れているのが
前払費用・前受金を忘れている方が非常に多いです。
多いのは、
家賃⇒ほとんどが前払と思います。
売上の前受⇒完成時に売上計上ですが、先にもらって売上に上がってしまっているとか。
今回は前払費用に注目します。
銀行から融資を受けた時に保証協会に保証料を支払う。
これを例にとって説明していきたいと思います。
(例)保証料 120,000円
   借入期間 10年(120ヶ月)
   決算期間 4月から3月
   返済時期 3月から

まずは前払費用かを確認する

まずはコレが前払費用に該当するかを判定します。
前払費用(国税庁HPタックスアンサー№5380)より
”前払費用とは、法人が一定の契約に基づき継続的に役務の提供を受けるために支出した費用のうち、その事業年度終了の時においてまだ提供を受けていない役務に対応するものをいいます。
 前払費用は、原則として、支出した時に資産に計上しを受けた時に損金の額に算入すべきものです。”
とあります。
役務の提供(国税庁HPタックスアンサー№6153)とはなんでしょう?
違う回で詳しく説明しますが、単純に「サービス」と考えていいと思います。
ですので、期間が10年にわたって融資を受けるサービスのために支払った費用と解釈できます。
なんのこっちゃ?
と思いますが、簡単に言うと
融資(役務の提供)の時に払った保証料(支出した費用)は10年間の返済期間(受け入れた期間)に対応するように経費で落としてね。
ということになります。
さらに、受けていないサービスに対応する部分を前払費用で計上しなさいと言っています。
ですのでこの場合、決算内に1回返済がありますので
120,000円÷120ヶ月×1回=1,000円が今期の費用として計上して
残りの119ヶ月(119,000円)を前払費用として計上します。
これで当期にあたる経費が計上されました。

長期前払費用か前払費用かを確認する

次に期間が10年間であることに注目します。
決算は一年単位ですので、これを基準にすると・・・
名前のとおり、貸借対照日の翌日から一年以内に役務の提供を受けるものを前払費用、それ以降のものは長期前払費用と処理することになります。
ということは、残りの119ヶ月は長期前払費用となります。

仕訳は?
①保証料を支払ったとき
長期前払費用 120,000 / 現金 120,000(120か月分)
②決算で当期分を経費化する
長期前払費用償却 1,000 / 長期前払費用 1,000( 1か月分)
となります。ちなみに次年度から
長期前払費用償却 12,000 / 長期前払費用 12,000(一年分)
となります。
ちなみに、償却の勘定科目は、支払利息なども使われますが、支払利息だと勘定科目明細を作らなくなるのと、財務分析に影響するので償却します。
これも、毎月することが望ましいです。

仕訳は?

①保証料を支払ったとき
長期前払費用 120,000 / 現金 120,000(120か月分)
②決算で当期分を経費化する
長期前払費用償却 1,000 / 長期前払費用 1,000( 1か月分)
となります。ちなみに次年度から
長期前払費用償却 12,000 / 長期前払費用 12,000(一年分)
となります。
ちなみに、償却の勘定科目は、支払利息なども使われますが、支払利息だと勘定科目明細を作らなくなるのと、財務分析に影響するので償却します。
これも、毎月することが望ましいです。

終わりに

いかがでしたでしょう?
ポイントは、「期間に応じて経費にする」です。
さらに毎月借入金の返済と同時に毎月仕訳を起こすと、わかりやすいかと思いますのでやってみてください。

一日一新

フォトリーディングの本を購入しました。
少しは、読書のスピードがあがるでしょうか?
どういう本か楽しみです。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
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